自分たちの頑張りが、
ものづくりの現場を支えている。
並木 紘
田原支店 営業1課 副主任
#営業・施工管理 #プラントメンテナンス領域 #自動車関連企業担当
じわじわと出てくる冷や汗を無視して、
対策を捻り出したあの日。
入社3年目の時、担当の自動車工場で大規模な配管の改修工事を任された。正直に言う。仕事にも多少は慣れてきていたから「まあ大丈夫だろう」という気持ちが確かにあった。工事の詳細はこうだ。エンジン製造ラインの要でもある鋳造機。そこに冷却水を注入する配管に劣化が見られ、配管の補修・交換工事が必要だったのだ。お客様から配管の図面をもらい、図面の情報をもとに、協力先の工事会社と資材・人員・期間などの計画を練った。準備は万端のはず。いざ工事を始めようとしたその時、事件は起きた。
「これでは工事できないね」と、協力会社の担当者が言った。何を言っているのか分からずに、とにかく現場を確認しようと鋳造機の下に潜り配管を確認した。目の前に広がっていたのは、図面と全く違う経路で配置された配管だった。うん、こりゃ無理だ。これだけ違うと、必要な資材も人員も再度計画を練る必要があるよな、普通に考えて…。なんて他人事のように思っている内にじわじわと脇から汗が滲み出ていた。無理って…どうする?今さら中止はできない。なんとかして対策を捻り出すしかない。すぐさま関係者全員を集めて状況を全て共有し、対策を打ち合わせた。検討の結果、人員の増員と日々の作業時間の延長でなんとか対策の目処が立ったことは不幸中の幸いだった。…のだが、現場に無理をさせてしまったのは全て自分の責任だった。なぜ最初から、自分の目で現場を確認しなかったのか。この時の後悔は、今でもずっと自分の中に残っている。
大げさでは無く、
ウォータージェット技術に感動してしまったから。
そもそもは、日進機工のウォータージェット技術に感動して転職を決めた。前職は航空機の製造。ものづくりは昔から好きだったから、就職活動の際にきちんと考えて決めた道だった。ところが、前職に在職していた時にふとしたきっかけで始めた副業のアルバイトが、違う道を選択するきっかけになった。アルバイト先は偶然にも、日進機工の協力会社。自動車工場の塗装ラインを清掃するウォータージェット作業を担当した。ものすごい水圧の力で、塗装ライン内に付着したペンキがあっという間に削ぎ落とされていく。その光景に、大げさでは無く感動してしまった。こんな技術力を持った会社で働いてみたいと思い始めるまでに、それほど時間はかからなかった。
転職を決意し、運良く入社が決まった時は嬉しかった。しかし肝心なのはその先だ。まずは先輩について回って現場でどんな仕事をするのかをつぶさに体験した。自動車工場には、ウォータージェット技術を必要としている場面がたくさんある。塗装工程の清掃工事、鋳造工程で発生した煤をウォータージェットでキレイに清浄する工事。そうかと思えば、お客様の工場に必要な新しい機械の設置を任されたりもする。日進機工が担う幅広い役割には驚愕した。少しだけ大げさに言えば、日進機工の技術が製造業の安定稼働を支えていると言ってもいい。経験を重ねるごとに仕事の面白みが増していき、気づけば知識と技術の習得に夢中になっていた。
「困った時は並木に頼め」
と言われたい。
営業・施工管理として独り立ちし、自分の担当のお客様を持った時は嬉しかった。国内ビッグメーカーの自動車工場担当となり、改修が必要な設備に対してお客様と打ち合わせを重ねる日々。時には工場内を見て回り「次はこんな工事が必要になる」とお客様に提案を行う。工事は基本、工場の休日である土日に行うことが多いから、自分の休日は基本、平日だ。平日休みも慣れれば快適で、自分なりの楽しみも増えた。社内の先輩やお客様とコミュニケーションを深めたくてゴルフも始めた。今ではそれなりに、中堅として経験を重ねてきたと言えるのかもしれない。
ただ、自分はまだまだと内心では思っている。先輩の仕事を見ているとそれを実感する。例えばとある先輩。お客様の相談から端を発し、日進機工でオリジナルの工場設備を設計・開発してお客様の工場におさめ、コスト低減を達成してしまったというすごい事例もある。詳しい話は専門的になり過ぎるので省くけど。簡単に言うとそれまで使い捨てだった塗装工程のとある部品の洗浄装置を開発し、複数回の使用を可能にしたのだ。当然お客様の製造コストは低減できるし、実際に大好評だったから、複数の工場にも導入が決まったほどだ。自分もいつかはそんな仕事がしてみたい。「並木に頼めばなんでも解決してくれる」と言われる人間になることが今の大きな目標だ。それってとっても難しいことだけど、なんとか実現させたいと思っている。